
長年の人間関係の悩み、子育て、2025.12.26
母親の言葉に、なぜこんなにも深く傷つくのか。
自分が悪いのではと責め続けてきたあなたへ。
私はこれまで、20年間で15000回以上の臨床現場を通じて、「親子関係の深い悩み」に寄り添ってきました。
「なぜ実の親なのに、あんなにひどいことが言えるの?」
「私が悪いの? それともお母さんがおかしいの?」
そんなふうに、傷つくことを平気で言う母親との関係に悩み、一人で震えてきた方も多いのではないでしょうか。
実は、その痛みには明確な「理由」があり、解決への「順番」があります。
今日は、心理学と量子力学の視点から、お母さんの心理背景と、あなたが今日から自分を解放するための具体的な方法を丁寧にお伝えします。
母親があなたを傷つける言葉を投げるとき、母親の内側では何が起きているのでしょうか。
その背景を知ることは、あなたが自分を責めるのをやめるための第一歩です。

心理臨床の視点で見ると、傷つくことを平気で言う母親の多くは、
・怒り
・悲しみ
・無力感
・劣等感
・満たされなさ
といった感情が十分に感じきられず、消化されないまま残っている状態です。
本来、感情は「感じ → 受け止め → 流れていく」というプロセスを通ることで落ち着きます。
しかし、母親自身が、感情を感じることを許されなかったり、泣く・弱音を吐くことを否定されて育った場合、感情を内側で処理できず、言葉や態度として外に漏れ出すのです。
その矛先が、最も近く、最もコントロールしやすい存在である「子ども」に向きやすくなります。
自分を拒絶しない存在である「子ども」に向けて漏らし、バランスを取ろうとしているのです。
心理学的には、これは投影と呼ばれる心理現象です。
母親が自分の中で認められない感情や無価値観、不安を、無意識に子どもに映し出します。
・自分の無価値感 →「あなたはダメ」
・自分の不安 →「将来どうするの?」
・自分の我慢 →「あなたは甘えている」
母親は、「子どもの問題を指摘している」つもりですが、実際には自分自身に向けた言葉であることが多いのです。
愛着理論の観点から見ると、傷つくことを平気で言う母親は、
・安定した愛着を形成できなかった
・自分自身が「安心できる親」を持てなかった可能性が高いです。
大人の愛着障害とは?特徴と改善方法:安心な人間関係を築くために
その結果、共感・感情の受容・安心を与える関わり方を学ばないまま親になっているケースが少なくありません。
共感能力が未発達なため、自分の言葉が相手の心をどれほど切り裂くか、想像することができないのです。
母親の自己価値が、
・良い母であること
・ちゃんとした子どもを育てること
に依存している場合、子どもは一人の人間ではなく、自分の成績表のように扱われます。
思い通りにいかないと、母親自身の不安が刺激され、攻撃的な言葉が出てしまうのです。
今のあなたのままで、心の平穏を取り戻すための具体的なアプローチです。

とてもつらいことですが、まず最初に大切なのは、母親に理解してもらおうとする努力を、意識的にやめることです。
心理構造的に見ると、傷つくことを平気で言う母親は、
・共感能力が未発達
・自分の感情処理で精一杯
・他者の内面を感じ取る余裕がない
状態にあります。
この相手に「どうしてそんな言い方をするの?」「私は傷ついている」と伝えても、関係性が改善するどころか、再び傷つく可能性が高いのです。
これはあなたの伝え方の問題ではありません。
受け取る力が相手にないという、母親側の問題です。
とても重要なのが、心理的境界線(バウンダリー)を引くことです。
これは「冷たくなる」「親を拒絶する」ことではありません。
境界線とは、
✔ どこまでが相手の感情・課題
✔ どこからが自分の感情・課題
を明確に分けること。
たとえば母親が、「あなたは本当にダメね」と言ったとき、無意識ではこう結びついています。
母の言葉=私の価値
ここを、こう切り離します。
これは母親の不安・価値観・未処理の感情。
私の価値とは関係ない。感情的にではなく、認知レベルで切り分けることがポイントです。

傷つくことを言われたとき、人はつい、
・言い返す
・正しさを説明する
・理解させようとする
ことをしてしまいます。
しかし、これは母親との力関係の再演になります。
母親は「支配・優位」に立ち、あなたは「評価される側・説明する側」に戻ってしまうのです。
向き合い方として有効なのは、
・話題を変える
・その場を離れる
・感情を見せず短く返す
これは逃げではなく、関係性をこれ以上悪化させないための成熟した対応です。
そして、非常に大切なのが、傷ついた感情を、母親とのやりとりの中で処理しようとしないこと。
なぜなら、
・母親は安全基地になれない
・共感的に受け止められない
・再び否定される可能性が高い
からです。
感情は、安全な相手・安全な場でのみ癒されます。
・信頼できる第三者
・専門家
・安心できる関係性の中
で初めて、「悲しかった」「悔しかった」という感情が統合されます。
大人になっても苦しい理由のひとつは、母親の言葉が内なる批判者として心の中に残っているからです。
それは「母親の声」であって「あなた自身の本音ではない」と明確に分離します。
たとえば心の中で、「また失敗した、私はダメ」という声が出たとき、「これは母の声、私の本質ではない」と切り替えるだけでも、「母親の声」を内側から分離することができるのです。
物理的・心理的に距離を取ることに、罪悪感を持つ方はとても多いです。
ですが、距離を取ることは、回復に必要なプロセスです。
・関係を断つかどうか
・どれくらい会うか
・どこまで話すか
これを決める権利は、今を生きているあなたにあります。
親だから、ではなくあなたの心の安全が最優先です。

「母親の言葉に、どうしてこんなに傷ついてしまうんだろう」
そう感じている人は、とても多いです。
母親の言葉に深く傷ついてしまう一番の理由は、母親の言葉と、自分の価値を無意識のレベルで結びつけてしまっているからです。
母親の言葉と自分の価値が結びついていると、母親が何か言った瞬間に、
・反論する前に落ち込む
・理由がわからないけど苦しくなる
・自分を責める感情が先に出る
という反応が起こります。
これは、「傷つく言葉を言われたから」だけではなく、自分の存在そのものが否定されたように感じるからです。
回復のために必要なのは、母親の言葉を否定することでも、母親を悪者にすることでもありません。
必要なのは、母親の言葉とあなたの価値を切り離すことです。
それができるようになると、母親が何か言っても、価値が揺れにくくなる、必要以上に傷つかなくなる、距離や対応を冷静に選べるようになります。
心理学的・臨床的な視点でとても重要なのは、「理解すること」と「許すこと」「受け入れること」は、まったく別のものだという点です。
傷つくことを平気で言う母親について、その背景や心理構造を知ると、
・母親自身も傷ついてきた
・感情の扱い方を教わらなかった
・満たされない思いを抱えたまま生きてきた
といった事実が見えてきます。
けれどこれは、あなたが受けてた傷をなかったことにするための説明ではありません。
母親の背景を理解することは、
・「だから仕方ない」
・「我慢すべきだった」
・「傷ついた私が悪かった」
という結論に向かうためのものではないのです。
むしろ、母親の事情と、あなたが傷ついた事実は、同時に存在していいと考えます。
母親は確かに、
・傷つく言葉を投げ
・心を否定し
・安心できる関係性を提供できなかった
という意味で、あなたにとって「傷を与える側」になってしまった人です。
それは事実であり、どんな理由があっても、あなたの心が傷ついたことは否定されるものではありません。
同時に、母親自身もまた、
・自分の感情を守ってもらえなかった
・安心して甘えられる経験がなかった
・心の痛みを抱えたまま大人になった
「癒されないまま生きてきた人」である場合が多い、というのも、心理臨床の現場では非常によく見られる現実です。
ここで大切なのは、この二つを混同しないことです。
母親の背景を理解することは、母親の言動を正当化することではありません。
また、母親がつらい人生を生きてきたとしても、あなたが傷ついた経験を「我慢すべきだった過去」に書き換える必要はありません。
理解は、「線引き」をあいまいにするためのものではなく、あなたが自分の人生を取り戻すための視点です。
ただ、多くの人がここでつまずきます。
・理解しようとすると、許さなければいけない気がする
・母親の事情を知ると、怒ってはいけない気がする
・共感すると、自分の痛みが後回しになる
けれど、本当は逆です。
あなたの痛みを正当に認めたうえでこそ、理解は意味を持つのです。
心理学的に見て大切なのは「順番」です。
1.「私は傷ついた」という事実を、自分が一番に認める。
2. その痛みには、正当な理由があったと受け入れる。
3. その上で、一人の人間として母親の背景を客観的に眺める。
このステップを踏むことで、母親の言葉は「あなたの価値」ではなく、「母親の未熟さ」としてあなたの外側に切り離されていきます。
「母親もまた、心の余裕を持てなかった人だったのかもしれない」いう視点が、あなたを苦しめずに役に立つものになります。
つまり、母親は
・傷を与えてしまった立場であり
・同時に、自分自身の心も守れなかった人
この二つの側面を持つ存在です。
そして何より大切なのは、その事実をどう捉えるかを決める権利は、今を生きているあなた自身にあるということ。
理解は義務ではありません。
許しも義務ではありません。
あなたの心が安全でいられる距離とペースで、必要なところだけを受け取っていいのです。
大切なのは、母親を理解しようとする前に、まず「傷ついてきた自分」を自分が認めてあげることです。
母親の背景を知ることは、あなたの傷をなかったことにするためではありません。
これ以上、自分を責め続けないための視点です。
母親の言葉と、あなたの価値は切り離しましょう。
距離を取ることも、関わり方を選ぶことも、あなたの心を守るための大切な選択です。
これからは、母親の声ではなく、あなた自身の感覚を基準に生きてゆくのです。
〈ご感想〉
母から愚痴の電話が一切かかってこなくなりました。父との関係も良くなり、更に、以前より疲れにくくなりました。
母からの電話の回数が減って詮索されなくなりました。母に「No」や「自分はこうしたい!!」ときちんと伝えられるようになりました
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