
長年の人間関係の悩み、子育て、2025.12.31
親子関係 劣等感・自己否定感 人間関係 夫婦関係 職場の人間関係・仕事の悩み
職場や家族に「自分が正しい」と言い張り、どんな状況でも非を認めない人が身近にいると、心がすり減ってしまいますよね。
「なぜ普通に話が通じないの?」「こちらの言い分は無視?」と、接するたびに疲れ切ってしまいます。
実は、相手が頑固に自分を正当化するのは、単なる性格の問題だけではなく、脳の防衛本能と潜在意識の仕組みが深く関係しています。
この記事では、自分が正しいと思っている人の心理を脳科学・心理学の視点から徹底解説しています。
この記事を読むことで、相手の「正しさの正体」が分かり、今日から自分の心を守りながら関係性を変えていくヒントが見つかるはずです。

人は自分の信念と矛盾する事実に直面したとき、激しい心理的苦痛(摩擦)を感じます。
この状態を心理学では「認知的不協和」と呼びます。
不快感を避けるため、人は
・都合のよい解釈を選ぶ
・反対意見を否定する
・事実の意味づけを変える
といった反応を無意識に取ります。
特に「自分が正しい」と固執してしまう方は、心の奥底に強い劣等感や、傷つきやすい自尊心を抱えていることが少なくありません。
間違いを認めることは、彼らにとって単なるミスではなく「自分の価値が崩壊する恐怖」に直結しています。
そのため、無意識のうちに自己正当化を繰り返し、自分を守るための防衛機制として、相手へのマウンティングや反論という形をとってしまうのです。
心の「境界線」を引くことの大切さ
職場の上司や家族など、逃げられない関係性の中でモラハラに近い言動を受け続けると、こちらの自己肯定感まで下がってしまいます。
相手の承認欲求をあなたが一人で満たしてあげる必要はありません。
大切なのは、相手の感情と自分の感情の間に、しなやかな「心の境界線」を引くことです。
「あの人は、今あのような言動でしか自分を守れない状態なんだ」と一歩引いて眺めることで、ストレスを最小限に抑え、振り回される感覚から抜け出す一歩が始まります。
「自分はすべてを理解している」という思い込みは、「説明深度の錯覚」と呼ばれます。
自分がある物事を“よく理解しているつもり”になってしまう心理現象のことです。
実際に説明しようとすると、思っていたほど理解していなかったことに気づきます。
人は、実際には深く説明できないことでも「自分は分かっている」と過信しがちです。
脳は、理解していない自分を認めるよりも、「理解している自分」を信じたい性質があります。
この錯覚が自信を支える土台となっているため、間違いを指摘されてもすぐには受け入れられないのです。

脳科学の視点から見ると、人が強く自分の正しさを主張するとき、脳内では「生存本能」に基づいた激しい防衛反応が起きています。
自分の考えを否定されると、脳の扁桃体(感情を司る部分)が「敵からの攻撃」と判断し、一瞬で戦闘モードに入ります。
このとき、相手の脳内では冷静なコミュニケーションよりも、自分という存在を守るための自己正当化が最優先されています。
たとえ客観的に見て価値観の違いがあったとしても、彼らにとっては「間違いを認める=死(社会的な死)」に近い恐怖を感じている場合があるのです。
この仕組みを理解すると、相手のマウントや頑固さに対して、「これは脳のパニック状態なんだな」と少しだけ客観的に眺められるようになります。
人間の脳は、すべてを冷静に検討する設計ではありません。
生存のため、素早く判断する「思考の近道」を使います。
「自分の考えは普通だ」「周囲も同じはずだ」という思い込みがあると、反対意見は脳にとって不都合な情報になります。
結果として、異なる意見を排除し、自分の正しさだけが強化されていきます。
臨床経験から言えるのは、言葉(顕在意識)のやり取り以上に、潜在意識レベルのエネルギーが重要だということです。
目の前の相手が「自分が正しい」と固執し、間違いを認めないとき、実は相手の潜在意識は「拒絶される恐怖」でいっぱいです。
その相手に対して、言葉や論理(顕在意識)で対抗しても、相手の防御壁はさらに厚くなるだけです。
相手の反応を根底から変えてしまう解決ワークを行ってください。
一般的に言われる鏡の法則は、「目の前の人は自分の内面を映している」という考え方です。
「意固地に“自分は正しい”と言い張る人が気になるのは、自分の中にも同じ要素があるから」という視点です。
また、あなたの目の前にいる「自分は正しい」と意固地になっている人は、あなたが無理して抑圧した自己(シャドー)かもしれません。
あなたも実は、心の深いところでは、自分は正しい思っている人ではないですか?
そんな自分を否定して生きていませんか?
あなたは、どちらかというと、周りの空気や他人を優先にして生きているのではないでしょうか?
そのように抑圧、否定した自己(シャドー)は、目の前の、鼻についてイライラする人となって現実世界に姿を現すのです。
【解決ワーク】
ここからは、少しだけ立ち止まって、内側に意識を向けてみましょう。
答えを出そうとしなくて大丈夫です。
まず、「自分は正しい」と意固地になっている、あの人を思い浮かべてください。
そして、その人に対して湧いてくる感情を、良い悪いと判断せず、そのまま感じます。
次に、心の中でこんな問いを向けてみてください。
「私は本当は、どんな場面で“自分は正しい”と言いたかったのだろう?」
「どんな気持ちを、ずっと飲み込んできたのだろう?」
言葉にならなくて大丈夫です。
体の感覚や、ふっと浮かぶ感情を、そのまま受け取ってください。
そして、抑圧してきた自分に、心の中でこう伝えます。
「そう思っていたんだね」
「わかってほしかったんだね」
直そうとしなくていい。
ただ、気づいて、認めてあげるだけで十分です。
シャドーは敵ではありません。
大切なあなたの一部です。
その存在に気づいたとき、目の前の人へのイライラは、自然と力を失っていきます。
大切なのは、抑圧ではなく、統合による変化です。
相手が間違いを認められないのは、潜在意識が「間違えたら価値がなくなる(愛されない)」と信じ込んでいるからです。
【解決ワーク】
相手と対峙しているとき、呼吸を相手に合わせ(ペーシング)、心の中で「あなたは今のままでも安全ですよ」「私はあなたを否定しません」というメッセージを送り続けます。
あなたの「安心の振動」が相手の潜在意識へ届きます。
安心を感じた脳は、扁桃体の興奮が収まり、ふっと「あ、さっきのは私のミスだったかも」という柔軟性を取り戻しやすくなります。
相手を「困った人、頑固な人」と見ている限り、あなたの潜在意識はその通りの現実を映し出し続けます。
大切なことは、観測は“現実をただ見る行為”ではなく、現実に影響を与える行為であるという点です。
意識が向いた方向に、情報・意味づけ・反応が収束し、結果として体験される現実が形づくられていく、という深層レベルのプロセスです。
意識の質が変わると、相手そのものを無理に変えなくても、自然に変わっていきます。
これが、量子論的「観測」を人間関係に応用したときに起こる、静かで、しかし本質的な変化です。
【解決ワーク】
会話の最中に、「この人との間に調和が取れ、お互いに笑顔で納得し合っているシーン」を一瞬だけ強くイメージします。
「この状況は、最高の結果に導かれている」と心の中で断定してください。
あなたの潜在意識の「観測」が変わると、あなたの発する言葉のトーンや表情が微妙に変化し、それが相手の潜在意識を刺激して、予想外の歩み寄りを引き出すことが多々あります。
相手を変えようと躍起になっている間は、潜在意識の扉は開きません。
「相手を正そうとするのをやめたとき、なぜか相手が自ら間違いを認める」
これが、潜在意識を通した解決のパラドックスです。
あなたが「正しさ」という武器を置くことが、相手の武器を下ろさせる最大の鍵となります。
職場や家族にいる「自分が正しいと言い張る人」。
その頑固さの裏側には、実は「否定されることへの強い恐怖」と「脳の防衛本能」が隠れていました。
相手を正論でねじ伏せようとすることは、相手の防御壁をさらに厚くするだけです。
「正しさ」を争う土俵から降りたとき、あなたを取り巻く現実は驚くほど静かに、そして確実に変わり始めます。
あなたが武器を置くことは、負けではありません。
それは、関係性を導く側(リーダー)へと回るための、最も賢明でしなやかな選択なのです。
執筆者プロフィール 吉永めぐみ|心理セラピスト
心理学、量子力学、脳科学の視点から、アダルトチルドレンの悩みを根本解決するサポートを行っています。
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