
長年の人間関係の悩み、子育て、2025.10.25
「なぜだか分からないけれど、いつも心が苦しい…」
「些細なことで感情が爆発してしまう自分が嫌…」
そんなあなたの心の奥には、傷ついたままのインナーチャイルドがいるのかもしれません。
この記事では、心理カウンセラーとして多くのクライアント様をサポートしてきた経験をもとに、自分でできるインナーチャイルドの癒し方を5つの簡単なステップでお伝えします。
あなたのペースで、あなたらしく、心の中の小さな自分と向き合っていきましょう。
難しく考えないこと、間違ったやり方をしないこと、そして、素直に実践することがポイントです^^
(必ず、ご注意点もお読みください。)
インナーチャイルドとは、あなたの心の奥深くに住んでいる「子ども時代の自分」のことです。
私たちは大人になっても、子どもの頃に感じた喜びや悲しみ、怖れや怒りを心の中に抱えて生きています。
特に、幼少期に十分に表現できなかった感情や、理解してもらえなかった思いは、インナーチャイルドとして今でもあなたの中で生き続けているのです。
子ども時代に経験した出来事は、大人になった今でも無意識に私たちの行動や感情に影響を与えています。
例えば、
・親に「いい子でいなさい」と言われ続けた子どもは、大人になっても完璧を求めがち
・「泣いてはダメ」と言われた子どもは、感情を表現するのが苦手に
・兄弟と比較された子どもは、常に他人と自分を比べてしまう
子どもだった頃のあなたは、ただ愛されたい、認められたいと願っていただけなのです。
以下のような経験に心当たりはありませんか?
複数当てはまる場合は、インナーチャイルドが癒しを求めているサインかもしれません。
感情面での症状
✓ 些細なことで感情が爆発してしまう
✓ 理由もなく急に悲しくなる
✓ 慢性的な不安や空虚感がある
✓ 怒りをうまくコントロールできない
✓ 涙もろく、感情の波が激しい
人間関係での症状
✓ 他人の評価が異常に気になる
✓ 人との適切な距離感がわからない
✓ 断ることができず、いつも無理をしてしまう
✓ 見捨てられることへの強い恐れがある
✓ 親密になることを恐れてしまう
行動面での症状
✓ 完璧主義で疲れやすい
✓ 自分の意見や気持ちを表現するのが苦手
✓ 何をしても満足感が得られない
✓ 自分を責めることが多い
✓ 新しいことにチャレンジするのが怖い
身体面での症状
✓ 原因不明の体調不良が続く
✓ 慢性的な疲労感
✓ 食欲の異常(過食・拒食)
✓ 睡眠の問題(不眠・過眠)
それぞれ3つ以上当てはまる場合は、インナーチャイルドがあなたに「気づいて」「癒して」というメッセージを送っているのかもしれません。

インナーチャイルドとの向き合いは、とても大切な時間です。
効果的に進めるために、まずは環境と心の準備を整えましょう。
物理的な環境
一人になれる静かな空間を確保する
携帯電話は電源を切るかサイレントモードに
落ち着く音楽やアロマで心地よい空間に
十分な時間を確保する(最低30分〜1時間)
心の環境
「今日はインナーチャイルドと向き合う特別な時間」と意識する
完璧を求めず、ありのままの自分を受け入れる準備をする
途中で泣いても、怒りが出てきても大丈夫だと自分に許可する
セルフケアを始める前に、心の中で自分にこう約束してください。
「今日は、子どもの頃の私に優しく寄り添います」
「どんな感情が出てきても、否定せずに受け入れます」
「疲れたら無理をせず、一旦休憩します」
「自分のペースで進めていきます」
この約束があることで、安心してインナーチャイルドと向き合えるようになります。
インナーチャイルドの存在に気づき、その声に耳を傾けることは、心理的な癒しと成長に繋がります。インナーチャイルドが抱える感情を認識し、それを癒すことが重要です。
では、インナーチャイルドとどのように向き合って癒してゆけばいいのでしょうか?
まずは、自分の心の中にインナーチャイルドが存在することを認識し、その声に耳を傾けることが大切です。
インナーチャイルドは、あなたの心の一部であり、その感情や思いを理解することが、癒しの第一歩です。
例えば、過去の出来事を思い出し、その時の自分がどのように感じていたのかを振り返ってみることが有効です。
その感情を否定せず、「あの時の私はこんな風に感じていたんだ」と優しく受け入れてあげることが大切です。
また、インナーチャイルドと向き合う中で、インナーチャイルドにはもちろんですが、自分自身にも優しく接することを忘れないでください。
私たちは大人になると、つい自分に厳しくなりがちですが、インナーチャイルドはまだ未熟な部分を持つ心の子どもです。
その子どもに対して優しく接し、必要な愛情や安心感を与えることが必要です。
それでは、実際にインナーチャイルドを癒していく5つのステップをご紹介します。
これらは心の奥深くにある子ども時代の自己と向き合い、未完了な感情や思いを完了させ、優しくケアするための実践的な方法です。

自分の感情を認識し、受け入れられるようになることが、インナーチャイルドを癒す第一歩です。
まず、現在、どんなネガティブは感情や思い、思考などがあるのか?
それらを否定せずに感じてみましょう。
感じるのが苦手な方は、しんどいなぁ、イライラするなぁ、不安だなぁ、という漠然とした感覚でもいいのです。
日常生活で感じる感情に注意を払い、その背後にある原因や過去の体験を探ることで、インナーチャイルドが抱えている痛みや不安に気づくことができます。
まずは、今このときのあなたの感情に意識を向けてみましょう。
やり方
1.楽な姿勢で座り、深呼吸を3回する
2.「今、私はどんな気持ちだろう?」と心に問いかける
3.イライラ、不安、悲しみ、寂しさ…どんな感情でも否定せずに感じる
4.「ああ、今私はこんな気持ちなんだな」と優しく受け入れる
感じるのが苦手な方へ
「なんとなくしんどい」「モヤモヤする」「重い感じ」といった漠然とした感覚でも大丈夫です。
感情に正解はありません。
あなたが感じることが、すべて正しいのです。

子ども時代に経験した出来事や感情を振り返ってみましょう。
ネガティブな感情や思い、感覚、思考を感じたら、それらが過去にもあったか?感じてください。
過去にもあったのなら、それは何歳の時っだのか?どんな場面か?どんな体験の時なのか?を思い出しながら感じましょう。
その時の自分に対して優しく接することが大切です。
安全で落ち着いた環境で、過去の記憶を再訪し、心の中のインナーチャイルドに寄り添いましょう。
今感じている感情を手がかりに、子ども時代の記憶を探ってみましょう。
やり方
1.ステップ1で感じた感情を思い出す
2.「この気持ち、昔にも感じたことがあるかな?」と問いかける
3.浮かんできた記憶があれば、その時の年齢や状況を思い出す
4.その時の自分がどんな気持ちだったかを感じてみる
記憶の例
・5歳の時、親に叱られて怖かった
・10歳の時、友達に仲間はずれにされて悲しかった
・7歳の時、弟ばかりかわいがられて嫉妬した
どんな記憶でも、その時の小さなあなたは一生懸命だったのです。

過去の自分、インナーチャイルドとの対話をします。
例えば、心の中で子ども時代の自分に向かって話しかけたり、対話の形式で手紙を書いたりすることが有効です。
どんな気持ちで生きていたのか?
我慢したことや、つらかったことはどんなことだったのか?
親へ言いたかったこと、言ってほしかった言葉は?
親にしてほしかったこと、親にやめてほしかったことは?
インナーチャイルドが話すことをすべて聴いてあげましょう。
インナーチャイルドの感情や思いを受け入れ、理解することが、心の癒しに繋がります。
過去の自分(インナーチャイルド)と心の中で対話してみましょう。
対話の例
大人のあなた: 「あの時、とても怖かったね。一人で我慢してえらかったね」
インナーチャイルド: 「うん…本当は泣きたかったの」
大人のあなた: 「泣いても良かったんだよ。どんな気持ちだったか教えてくれる?」
対話のコツ
・インナーチャイルドの話は最後まで聞いてあげる
・否定せず、共感する
・「そうだったんだね」「辛かったね」「よく頑張ったね」という言葉をかける
・急かさず、相手のペースに合わせる

そのインナーチャイルドがやりたかったことを、大人のあなたも一緒にやりましょう。
たとえば、お菓子をいっぱい食べたい、とか、家族と旅行に行きたいとか、話してくれるはずです。
大人のあなたがそれを実際に代わりにしてもいいし、心の中でインナーチャイルドと一緒にしてもいいです。
インナーチャイルドが満足するまでやりましょう。
すると、未完了な感情、思いを完了させることができます。
インナーチャイルドが当時やりたくてもできなかったことを、一緒にやってあげましょう。
やりたかったことの例
・「お菓子をいっぱい食べたかった」→ 好きなお菓子を思う存分食べる
・「公園で思いっきり遊びたかった」→ 公園でブランコに乗る
・「絵を描きたかった」→ 自由にお絵描きをする
・「歌いたかった」→ 大きな声で歌う
実践方法
・実際に行動してもOK
・心の中で一緒に体験してもOK
・「今度の休みにやろうね」と約束してもOK
インナーチャイルドが「もういい」と満足するまで続けてあげてくださいね。

インナーチャイルドが親にしてほしかったことを、あなたが代わりにしてあげてください。
あるいは、インナーチャイルドが、あなたにしてほしいことをしてあげてください。
例えば、抱きしめてほしい、一緒に寝てほしい、ほめてほしい、とか。
インナーチャイルドと対話すると、あなたに「〇〇してほしい」と言うので、それをしてあげてください。
もし、インナーチャイルドから「してほしいことがない。」と言われたら、あなたがインナーチャイルドにしてあげたいことをしてあげてください
インナーチャイルドが満足するまで続けてしてあげてください。
未完了な思いを完了し、次のステップへと進むことができるようになります。
・最後に、インナーチャイルドが親や周りの人にしてほしかったことを、大人のあなたがしてあげましょう。
してほしかったことの例
・「抱きしめてほしかった」→ 自分で自分を抱きしめる
・「褒めてほしかった」→ 「よく頑張ったね」「えらいね」と声をかける
・「一緒にいてほしかった」→ 「いつも一緒にいるからね」と伝える
・「話を聞いてほしかった」→ 「何でも話していいよ」と声をかける
もし「してほしいことがない」と言われたら
あなたがインナーチャイルドにしてあげたいことをしてあげてください。
「今日はありがとう」「大好きだよ」「大切な存在だよ」という気持ちを伝えるだけでも十分です。
「インナーチャイルドを癒して母親との関係を改善する具体的7ステップ」はこちらをお読みください。
⇒母親に優しくできない:インナーチャイルドの心理と癒し方
イメージしやすくするための例を出して説明します。
ただ、ほんとに一人一人内容は必ず違うものになります。
例にとらわれずに行ってください。
言葉や行動など、素直に感じて、浮かんだことや感じたことそのままでいいのです。
最初の症状
職場で上司から注意されると、必要以上に落ち込み、何日も引きずってしまう。
「私はダメな人間だ」という思いが強くなる。
5ステップ実践過程
感情認識
「見捨てられる恐怖」「価値のない自分への怒り」を発見
記憶振り返り
7歳の時、テストで悪い点を取って父親に厳しく叱られた記憶
対話
当時の自分に「一生懸命やったのに、認めてもらえなくて悲しかったね」
やりたかったこと
父親に褒められたかった→自分で自分を褒める習慣
してほしかったこと
抱きしめてもらいたかった→毎日セルフハグ
最初の症状
夫や子どもに対してイライラが止まらず、些細なことで爆発してしまう。後で罪悪感に苛まれる日々。
5ステップ実践過程
感情認識
深い怒りと「私ばっかり」という不公平感
記憶振り返り
母親が忙しく、いつも我慢していた幼少期
対話
「小さいのに、いつもお利口さんで我慢してえらかったね」
やりたかったこと
甘えたかった→夫に甘える練習
してほしかったこと
「大変だったね」と言ってほしかった→自分で労う

Q1. どのくらいの頻度で行えばいいですか?
A. 週に1〜2回、無理のない範囲で続けることをお勧めします。
毎日やる必要はありません。大切なのは継続することです。
疲れている時は休んで、心に余裕がある時に行いましょう。
Q2. 途中で泣けてきてしまいます。続けても大丈夫?
A. 涙は心の浄化作用です。
泣けてくるのは、インナーチャイルドが長い間我慢していた感情を表現している証拠。
無理に止めず、思いっきり泣いてあげてください。
ただし、辛すぎる場合は一旦休憩をしてください。
Q3. 記憶が曖昧でよく思い出せません
A. 記憶が曖昧でも全く問題ありません。
「なんとなくこんな感じだったかも」という程度で十分です。
大切なのは記憶の正確さではなく、今の感情に寄り添うことです。
Q4. 効果を感じるまでどのくらいかかりますか?
A. 個人差がありますが、多くの方が1〜3ヶ月で変化を感じ始めます。
すぐに効果を感じる方もいれば、半年かかる方もいます。
焦らず、あなたのペースで続けてくださいね。
Q5. 家族にも効果がありますか?
A. インナーチャイルドを癒すことで、家族との関係も改善されることが多いです。
あなたが変わることで、家族との関わり方も自然と変化していきます。

セルフケアは素晴らしい方法ですが、以下のような場合は専門家のサポートを受けることをお勧めします。
・日常生活に支障が出るほどの症状がある
・自傷行為や強い希死念慮がある
・フラッシュバックや解離症状がある
・アルコールや薬物への依存がある
・虐待などの重篤なトラウマがある
・何度やっても変化を感じられない
・途中で辛くなりすぎて続けられない
・より深く向き合いたいと感じる
・家族関係や仕事に深刻な影響が出ている
一人で抱え込まず、必要な時は専門家の力を借りることも、自分を大切にする行為の一つです。

インナーチャイルドの癒しには限界があります。
インナーチャイルドと対話すると、インナーチャイルドが抱えている傷、痛みを感じることになります。ですから、多くのひとは、インナーチャイルドの存在に気づいて認めることに、不安や恐怖、抵抗を感じます。。
自分でのケアが難しい場合や、深いトラウマを抱えている場合には、心理カウンセラーやセラピストに相談することをおすすめします。
専門家のサポートを受けることで、安全の中、より深くインナーチャイルドと向き合い、効果的に癒しを進めることができます。
また、抱えている悩みの原因は、インナーチャイルドが原因ではないこともあります。
必ずしも、「インナーチャイルドが癒された=悩みが解決」にはならないのです。
インナーチャイルドが癒されても、悩みが解決しないこともあるし、インナーチャイルドを癒さなくても悩みが解決することもあります。
インナーチャイルドの癒しは万能ではありません。
また、インナーチャイルドセラピーの手法がむいている方とむいていない方もいらっしゃいます。
今すぐ、インナーチャイルドを癒さなくてもいいし、癒してもいい、どちらでも悩みを解決することはできることを忘れないでいてください。
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